Spice‼︎
結婚に恋愛は必要?
ヒロは希と暮らすと言ったけれど
本当は離婚させてしまった事を重く感じていた。

人の家庭を壊してしまったと思うと
罪もない希の家族に申し訳なくて
地獄に堕ちる気分だった。

希が子供と離れてしまったのも
全ては自分が希と恋に落ちたせいだ。

「もう、戻れないのかな?」

ヒロは希にそう聞くと、希は

「どこへ?誰が?」

と聞き返した。

「子供と離れてこんなところに1人で住んで寂しくない?」

「ヒロが来てくれるんでしょ?」

裸でベッドに横たわったままの希が
ヒロの背後から甘えた声で聞く。

ヒロは脱いだシャツを羽織って
デニムを履くと軽く溜息をついてる自分に気がついた。

「もしかして気が変わった?」

希が不安そうにそう聞くと、
ヒロは振り向いてなだめるように希にキスをした。

「ヒロ…離れたくないな。」

自由になった希は最近束縛が強くなって
ヒロは少し息苦しい感じがする。

なかなか逢えないときはあんなに逢いたくてたまらなかったのに
いつでも逢えると思うと気持ちが褪せて行くのがわかった。

希を死ぬほど愛してると思っていたが…
ホントはそうでもなかったのかもしれない。

昔から欲しいものを手に入れると飽きてしまう性格だ。

恋人は別だと思っていたが
ヒロにとって恋はゲームと変わらなかった。

そんな自分が嫌になる。

ヒロは

「また来るよ。」

と言いながら希の部屋を後にして
梨花のもとに帰る。

梨花はまたソファでお酒を飲んでそのまま眠っていた。



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