Spice‼︎

梨花は初めての夜を除いて
桐原を部屋に上げたことがない。

それが二人のルールだった。

お互いの私生活には干渉しない。

梨花はベランダでタバコに火をつける。

「やめなきゃなぁ。」

それがタバコの事なのか、
桐原との情事の事なのかは梨花にも分からない。

ただ漠然と今の生活をやめなきゃと思う。

梨花は桐原と自分の体液が混ざった下着を脱ぐと
バスルームでそれを手洗いする。

そして桐原の余韻に浸る。

桐原は全部は脱がさない。

下着を着けたまましたり
半分だけ脱がせたりする。

全裸より興奮するらしい。

桐原に魅せる高級でセクシーな下着は
2人が愛し合う時のスパイスになるが
ホントは汚したく無いとか思ってる。

梨花は自分でもわからない。

桐原を愛してるのかも
ただsexしたいだけなのかも…

テーブルの上に置いた郵便物を確認すると、
大学の同級生から結婚式の招待状が来ていた。

「今度は誰かな?…ゲッ⁉︎麻美?

私も結婚しないって言ってたのに…」

梨花は大きなため息をついて
招待状をテーブルに無造作に投げ置いた。

そしてシャワーを浴びて眠る。

梨花は眠る時は全裸だ。

全てを解放したいからだ。

桐原に愛されたばかりのカラダはまだ熱っぽかった。

その夜はなかなか眠れずに
後輩の茉美が無理矢理貸してくれた本を開く。

百万人が泣いたとかいう帯の付いたラブストーリーで
2、3ページ読んだらいつの間にか寝てしまった。




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