Spice‼︎
風間がいきなり梨花に詰め寄って言った。

「梨花さん、今日でホントに最後です。

もう逢いに来ません。

愛したりもしません。

キスしたり、抱きしめたりしません。」

息がかかるほど近い距離でそう告げられた。

「私も忘れる。

風間くんのこと全部…

愛された事も、愛した事も思い出したりしない。」

そう言いながら梨花は涙をこぼした。

「どうして泣くんです?」

風間はそう言って梨花にキスをした。

深く長いキスをした。

梨花の身体からチカラが抜けていくのがわかった。

「どうして受け入れるんですか?」

梨花は俯いて、ただ涙を流す。

そして風間を上目遣いに見る。

「今、僕から逃げないとどうなっても知らないですよ。」

梨花は一歩も動かず、
もう一度強引にキスしてくる風間を拒まなかった。

息ができなくなるほど激しく舌を絡め合う。

「梨花…抱きたい。」

風間は梨花の腕を掴むと自分のマンションへ向かった。

梨花は黙って風間に腕を引かれるままついていく。

マンションのエレベーターで風間はもう一度キスをする。

梨花の気持ちが変わらないように
思いを込めて、激しいキスを繰り返した。

そして部屋に着くなり、
梨花の服を破れそうなほど乱暴に脱がしていく。

優しく抱くのではなく、
動物的で衝動的に自分の欲を鎮めるために
風間はただ動いた。

いい思い出なんてもう要らないと思った。

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