ヴァージンロード <続>Mysterious Lover

そしてオレはようやく、自分という存在を許すことができた。
あの父親の血が、忌わしい男の血が流れている自分を、認めてやることができた。

あいつとオレは違う。まったく違う人間で、まったく違う人生を歩むんだって。
信じることができた。


口に出して言ったりはしないけど
ほんとにこいつらに会えてよかった。


と、そこまで考えた時、扉が音もなく開き……
満ち溢れる光に包まれるように、純白のヴェールをつけた花嫁が立っていた。

神々しいほど美しいその人が、ヴァージンロードを、オレに向かってゆっくりと歩いてくる。

うわ……やばい。
きれいすぎて、泣きそうだ……っ

オレは必死に他のことを考えようと、目線を花嫁の隣へと泳がせた。
そこにいるのは、パープルの上品なワンピースを着た香澄さんだ。


式の直前まで延々、奈央さんと香澄さんは揉めていた。

——ヴァージンロードは父親と歩くものでしょ。お父さんがいるんだから、お父さんと一緒に歩けばいいじゃないの。
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