なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。

「何であんな無茶するのよ……」


長瀬の頬をつねってみる。


長瀬はあの時、このポインセチアの飾りを体を張って守ってくれた。


どうして?


どうしてそこまでするのよ。


自分があげたものでもないのに……。


先生がくれたものだって知ってるくせに……。


「いてぇ」


「うわぁ!!」


頬をつねっていた手を掴まれ、私は慌ててその手を引っ込めた。


「き、き、気が付いてたの!?」


「今さっき。何ここ、病院?」


「そ、そうよ!あんたさっきあのまま倒れたんだから!」


「ふーん」


まだ頭が痛いのか、ボーッとした様子で傷のある場所をさすっている長瀬。


「センパイは大丈夫だった?」


「え?」


「ケガとかねーの?」


「……私は、大丈夫だよ」


“そっか”と言って、安心したように息をつく長瀬に何だか腹が立ってくる。


この期に及んで、何私の心配なんかしてるのよ。


自分でしょ?


まず、自分の心配しなさいよ。



「……何で?」


「あ?」


私は、長瀬の掛けている真っ白な掛け布団をギュッと握る。


「何であんなことしたの?」


「……あんなことって?」
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