今までありがとう。なんて言えない。
そんな4人は、同じ中学校に通っていたが、今日からは高校一年生になる。

4人の家は隣同士なので、いつも一緒に登校している。

「やったーーーーー!」

嬉しそうに叫んだふうこは、莉音に飛びついた。

その音量は、同じように1年1組の教室に入ろうとしていた人達を、振り返らせるほどのものだった。

「何よいきなり。邪魔なんだけど。」

莉音は、眠そうにあくびをしながら言う。

「また同じクラスだよ!!」

またも嬉しそうに笑ったふうこは、周りの男子が惚れ惚れするほど、無邪気で可愛かった。

「当たり前でしょ。」

と言い放った莉音もまた、毒舌だが美しかった。

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