お見合いですか?
 「それって、弱みにつけ込まれて、丸め込まれたって事じゃん。何で、感謝してるんだ?」

「いや、だって、その時に言われたのがね、未来の自分救えるのは、今の自分だけだって。何か格好いいなぁって思って。だから、その時に、未来の自分に恥じない生き方しようって、そう思ったんだよね。まぁ、、彼と付き合ったおかげで、副店長に誘われなくてすんだし、不倫も回避出来た。だから、感謝してるってわけ。」
「ふーん、何で別れたんだ?」
「元々、彼は、パティシエを目指してたから、確か、彼のお世話になった先輩の誘いで、東京に行くことになって、それで、別れてくれって。」

「へー、それですんなり別れたのか?」
「いやぁ、すんなりとはいきませんでしたよ。いっぱい泣いたし、結構引きずってたし。」

あ、ヤバい色々思い出してきた。

 「もう、こんな時間。お風呂はいってください。片付けちゃいますね。」
無理やりっぽいけど、切り上げた。
あの頃の自分は、あまり思い出したくはない。
切ないとかじゃなくて、恥ずかしいから。

 はぁー、でも、悠斗さんは、知ってるんだよね、あの頃の私を。
恥ずかしい。
どう思ってたんだろう?
というか、林さんって若い人と一緒に来店したことあったっけ?
大体、1人で来てたような気がする。
それか、同年代の人と来てたよねぇ。
後片付けをしながら、かんがえていると、悠斗さんがお風呂から、出てきた。
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