副社長と愛され同居はじめます
ネオンテトラを眺めていても腹は膨れない。
そして成瀬さんも起きてこないので、思い切ってキッチンに侵入してみた。


結婚しようっていうんだから、まさか怒りはしないだろう。
寧ろちょっと朝ご飯でも作って彼の反応を見てみたい。


……っていうか、食材あるのかな?


と少し不安だったけど、冷蔵庫を開けると意外にも色んな食材が揃っていて驚いた。



それから、三十分程過ぎたころだろうか。
成瀬さんが、のっそりと寝室から出て来たのは。



「お、おはようございます」

「…………何をしてる?」



寝起きのせいか、ぼーっとした表情に眉間に皺。
機嫌が悪いのか眠いのかわからない。



「えと……どうにもお腹が空いてしまって、朝ご飯を」



作って、今から食べようか成瀬さんを起こしに行こうか悩んでいたところ、でした。
恐る恐るそう答えて、彼の返事を待つ。


ダイニングテーブルに並べたサンドイッチと野菜スープをじっと見つめて彼は、


「……そうか」


と、一言、何の感情も見つからない返事があっただけだった。

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