副社長と愛され同居はじめます

朝は食べない人なんだろうか。
でもサンドイッチも野菜スープも折角たくさん作ったし、私ひとりじゃ食べきれないんだけどな。


じゃあ、せめてお昼にでも食べないかな?



何か釈然としない気持ちを抱えながらも、彼がシャワーを出てくるだろう時間を見計らってコーヒーを二人分淹れた。



「食べてなかったのか?」



まだ髪が濡れたまま、彼が戻ってきて不思議そうな顔をする。



「うん、どうせなら一緒に。コーヒーなら飲むかなと思って」



時間がすれ違うならともかく、こうして一緒にいるのに一人で食卓に座るということが私には違和感だったのだ。
うちは家に揃っている時は、必ず全員が同じ時間に食卓に座る習慣だったから。


だけど彼はそういうことを気に留めないのか、首を傾げていた。



「ああ、じゃあ。コーヒーはもらおう」

「良かった」



出来れば山ほど作ったサンドイッチも少しくらい食べてくれないかなと思ったけれど、彼はやはりコーヒーだけでちらりとも視線をくべることもしなかった。

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