副社長と愛され同居はじめます
「さっきのサンドイッチ、くれ」

「えっ? いやいいよもう。朝は食べない人なんでしょ?」



ってまずそこも、健康的に直していかないといけないと思うけど。



「じゃあ昼に食べる。さっきのスープも小春が作った?」

「当たり前でしょ。他にいないじゃない」

「じゃあ、昼に食べる」



こっくりと頷かれて、私は毒気を抜かれる。


しかも成瀬さんは、こんなに偉そうに怒られたにも関わらずなぜだか急に、嬉しそうに笑ったのだ。



「え。な、なに?」

「一生懸命作ってくれたんだろう。そういう気持ちを失念していた。何も言わなくても用意されてる環境に居るとおかしくなるものなんだろうか」

「そういう問題じゃない。心構えの問題」

「そうか。悪かった」



素直過ぎて反応に困り、そっぽを向いた。
これでは、カッカして畳みかけた私が大人げないみたいじゃないか。


その時、ふわっと背後から抱きしめられた。
仰ぐと、私を見下ろす優しい目が二つ。



「…………なんで笑ってんの」

「俺に食べて欲しくて一生懸命作ったんだと言われれば誰だって喜ぶ」

「そっ、そうじゃなくて」



なんか、論点が微妙にズレた気がする!

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