和花葉さんは今日も
結局、気になって今日も体育館裏へ来てしまった。
できるだけ雨に当たらない場所を選びながら来たが、体育館の屋根は出っぱっていないので、壁伝いに歩いても濡れてしまう。
小屋に着いた時には、髪から雫がポタポタと落ちるくらいに濡れていた。
この一週間降らなかった分の雨が、今日に集結したかのように、今日は夜明け前から、大粒の雨が勢いを劣らせることなく降っていた。
傘を差してくればよかった、と今更ながら後悔する。
小屋の窓からは明かりが漏れていて、やはり彼女たちは小屋の中にいたのか、と気になっていたことが解決し、スッキリした。
……彼女がどこにいたか分かったのだが、これからどうしよう。
このまま教室に帰るか、小屋を訪ねるか。
しばし考えて、折角ここまで来たわけだし少しのぞいていこう、と結論を出した。
扉をノックすると、すぐに扉が開いた。
「やっぱり田辺くんだ」
そう言って、にっこり笑った。
……と思ったら突然、顔色を変え、心配そうな表情になる。
「た、田辺くんずぶ濡れだよ!傘も差さないで来たの!?」
「……うん」
「早く入って!風邪引いちゃうよ?」
感情の変化が激しい彼女に動揺していると、いつの間にか小屋の中に入れられ、タオルを手渡された。
「これで拭いて?」
彼女に言われた通りタオルで髪を拭きながら、部屋のなかを見回した。
広さは、外で見たときに思ったのと同じくらいで、三畳ほど。
壁は、木材とかがむき出しだと勝手に思っていたが、ちゃんと内壁材を貼っているみたいで、その上に白い木目調の壁紙が貼られている。
その代わり天井は木材がむき出しだ。
その木材はダークブラウンに塗られていて、白い壁紙とのコントラストが良い。
床は、天井と同じダークブラウンの床板の上に、モスグリーンの毛足の短いラグが敷いてある。
部屋の隅に小さな机が置いてあったり、和花葉さんの背丈ぐらいありそうなキャットタワーが置いてあったり……。
天井の梁からランタンが吊るされていたり、壁にはおしゃれな棚が掛けられていたりと、塗装もなにもしていない外装と、この内装の手の掛け方の違いに、俺は驚いていた。