ムシ女
☆☆☆

どうにかご飯をお腹に押し込んで、あたしは膝を立てて座っていた。


昨日言っていた通り学校はしばらく休みになっているようで、陽介君はベッドに寝転んで昆虫図鑑を読んでいる。


その時だった、あたしは尿意を感じて軽く身震いをした。


食べたら出さなきゃいけない。


それは当然の事だ。


あたしは陽介君に視線を向けた。


昨日は着替えをする時にちゃんと配慮してくれた陽介君。


でも、今日はどうだろう?


眠っているあたしを瓶の中に閉じ込めていたことを考えると、言い出す事ができない。


もう少し、我慢しようか……。


そう思い、あたしはまた膝を抱えてうずくまったのだった。
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