苦手だけど、好きにならずにいられない!


粗いアスファルト感触がストッキングの足裏にダイレクトに伝わってくる。

追い討ちをかけるように、徐々に湿り気を帯びてきた。
この時期にしては暖かい夜だったけれど、少し肌寒くなってきた。


雨まで降らなくたっていいのに…

じんわり涙が溢れてくるのを
ブラウスの袖で拭った時。


私の目の前で白い車が急停車した。
私は息を呑んだ。

普通の車はサイドから見て2つしか窓がないのに、その車は4つもある。
リムジンというやつだ。

せせこましい日本の道路事情にはそぐわないやたら威圧感のある車。
それは夜目にもピカピカに磨き込まれたものだと分かる。


私は電柱の陰に隠れ、身を縮めた。


何、これ…ヤバいやつでしょ?



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