苦手だけど、好きにならずにいられない!


「えらいね…」

根っからのアホだと思っていたビッキーがこんなに家族思いのいい子だったなんて…
ジーンと胸に染みるものがあった。


「さあて、ビッキーそろそろお帰りしよっかな」

「待って」

この子に何かしてあげたかった。


「良かったら泊まって行きなよ。ベッドなら2つあるし。天井がね、ガラス張りになってて寝ながら星空が見れるのよ。流れ星見よう」


ええええ〜〜!と口に手を当て、叫ぶビッキー。大きな目ん玉が飛び出そう。


「えー!泊まる泊まる泊まりたい!
ビッキーの部屋、窓から掘っ建て小屋が見えるだけなんだもん!
海外にきてまで掘っ立てビューとかウケたけど!ありがとう、莉子さあん!嬉しいよお!」


ビッキーがいきなり抱きついてきた。ガリガリなのに柔らかくて温かい。ふわりとお花の匂いがした。


「ビッキー、今日は頑張ったね…」


ビッキーの頭を撫で撫でしてあげたら、ビッキーはヒックヒックと泣き出し、びっくりした。


「莉子さんに褒められて嬉しくて…す、すんません…ビッキーめっちゃ、な、泣き上手なんですう」

「…それをいうなら、泣き上戸、でしょ」

「え?焼き餃子?」

「……もう寝るよ!」


流れ星を見つけたら『ビッキーが芸能界でスターになれますように』とお願いしよう。




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