祐也と私と一平先輩
みんなは私と目が合うと、”ニカッ”と笑うと先輩と一緒に歩きだした。

見慣れた光景だけど、やっぱり思ってしまう。


みんな先輩が好きなんだって微笑ましく前を歩く集団を見守る。

やだ、ババ臭いかも。




私と玲奈はその後ろを歩く。


「これ毎日続かないよね?」


玲奈が肩をすくめる。


「えっ?どうして?」


「だって、一平先輩だって迷惑でしょ」


「そうかな?でもみんなで仲良く帰ったほうが楽しいし」


「本気?」と玲奈は私の顔をのぞく。



「ほんとは一平先輩、綾乃と二人で帰りたかったんじゃない?」


まっさかぁ。


「そんなことないよ。一平くんとは家だって近いし、わざわざ二人きりになる必要なんてないもん」

笑顔で答える。
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