祐也と私と一平先輩
「綾乃ちゃんはここに独りごとを言いに来たの?」


”カーッ”落ち着きを取り戻した顔が、また一気に顔が赤くなる。


そっ、そんな奴いるわけないじゃん。ふ、普通に考えて。


「ち、違いますっ!私はその....独りになりたくて。
で、ちょっと心の声をうっかり声に出しちゃっただけで」


独りごと全部聞かれてたんなら、マジやばいって....。

だって、清良先輩の悪口だって言ってたし、一平くんや小坂くんとのことだって、
その、つい....うっかり。


内心冷や汗が止まらない。

「で、でもそれは決して本心ではなくて...だから、....あの」

上目づかいに棚倉先輩をチラッと見る。



「へ~」


不敵な表情を浮かべて私を見つめ返す棚倉先輩。


「先輩も人が悪いです。黙って聞いてるなんて」


「いや~、ここに来たの僕が先だし」


「そうですけど....」



風が強くなったのか、窓を叩く雨音がやけに大きくなった気がする。


「心配?」

「え、何がですか?」

「さっき君が言ってたこと僕が誰かに話すかもよ?」


ひえっ!!

「そ、それは困ります」

「だよね~。後で口止め料もらわないと」

棚倉先輩のニンマリする顔に少しだけ嫌な予感がする。
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