キス×キス1〜双子のあんたと甘い日々〜
嬉しさと逆襲side捺夜



マジ、わけわかんねぇ。


翔夜の奴。



せっかく……応援しようて思ったのに。



ウチはポケットに手を突っ込んで、ハイカットの靴をズリズリとヤンキーが歩く感じに歩いて、自分の席に戻る。



席に着いてからも、女子がうるせぇのはまったくかわんねぇけどよ。




少ししてから、翔夜が出る借り物リレーが始まった。


翔夜は第二走者で、緑が圧倒的に勝っている時に翔夜にバトンがまわった。



以外と足が速かった事にビックリしたけどな。




でも、翔夜は借り物が書いてある紙をジーッと眺めたままだった。



「加藤ぉーーー!!!!」



「何ボーッとしてんだ!!!!」



「急げぇ!!!!!!」




クラスの奴が翔夜に向かって叫んで、翔夜はいきなり走り出した。



こっちに向かって。




「ハァ……」



「加藤、どうした!!?」



「お題、クラスメートだっのか?」




翔夜は息を整えて、




「捺夜…………」





ウチの名前を呼んだ。
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