懐恋。
体育があった後は梨奈ちゃんに化粧直ししてもらって、そして部活の時間になった。先生なんていってくれるのかなー？って思いながら部室に向かっていく。ガラガラと音が鳴りながら扉を開けると、今日は先生は起きていて、スマホをいじっていた。

「先生、何してるんですか？」

「んー？天気予報見てんの。明音こっちおいで？」

２人しか居ないからか学校なのに名前で呼ぶ先生にドキリとしながら、こっちといいながらポンポンと自分の隣を叩いていたので、私はそこに座った。

「天気予報って先生どっかにお出掛けするんですか？」

「俺ねー、海好きなの。眺めるのが好きー。」

楽しそうに言う先生を見ているとこっちまで嬉しくなっちゃう。

「明音、今度さ土日のどっちかで一緒に行かね？んで写真撮ろうぜ。」

一緒にと言われた時は嬉しかったけど、部活として誘ってるんだと思ったら、ちょっとだけシュンと気持ちが萎んだ。

「ん？どーした？行くのやだか？」

「あ、大丈夫です。行きます！」

部活とはいえ、先生とお出掛けできるならと私は行くことを選んだ。

「で、なんで明音は化粧なんかしてるんだ？」

唐突に話が変わって、スマホから私に向けられた視線は真剣でドキリと胸が騒いだ。
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