モブAだって恋をする


「私が弱ってるからすぐ落ちると思ってるんでしょ?」

残念ながら、そんなに尻軽ではない。

先生への恋心は遊びじゃなかった。

本当に本当に好きだったんだって、失恋して気づいたよ。


「俺はこれから頑張るんだよ。だからとりあえずたい焼き食いにいこうぜ」

筒井がニカッと笑う。

仕方ない。

片思いをはじめたのは自分なんだから、ちゃんと自分で終わりにしなきゃ。

私はポケットからスマホを取り出して、さっき録音した音声の画面を見つめた。


先生の幸せなんて願わないよ。

私はそんなに心が広い人じゃないの。

だけど、恋をしたことに後悔はしてないから。


だからライバルにさせてよ。

私、あのふたりよりも幸せになるから。

先生よりもいい人を見つけて、幸せになるから。

私は静かに〝削除〟のボタンを押した。


「おーい。麻里ちゃん早く行こうぜ」

向こうで筒井が私を呼んでいる。


「麻里ちゃんとか勝手に呼ばないで」

「いいじゃん。頑張らせてよ」


先生の物語に私はいなかったけど、いつか……いつか、誰かのお姫さまになれるようなそんな恋をするんだって、強くそう決意した。


――【モブAだって恋をする】END

< 8 / 8 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:15

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

100文字ミステリー

総文字数/4,565

ホラー・オカルト20ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
ミ ス テ リ | は 1 0 0 文 字 後
青の先で、きみを待つ。
[原題]翼をなくした天使たち

総文字数/116,990

青春・友情198ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
もしも私に翼があったなら 空を飛んで自由になりたいなんて 願わなかった。 私が願うのはただひとつ。 「こんな世界消えてしまえ」 そう思って踏み出した一歩。 その先にあったのは――。 原題「翼をなくした天使たち」 \2022年6月25日 書籍発売/ こちらは改稿前の物語です。 書籍版では大幅に修正しております。 サイトとの違いもお楽しみいただけたら嬉しいです。 よろしくお願いします!!
世にも奇妙な買取屋

総文字数/19,681

ホラー・オカルト16ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
 闇闇商店街にある、世にも奇妙な買取屋  そこにはイチカ♦️とニカ♣️という双子がいて  奇妙な話を買い取ってくれるらしい ♦️「奇妙な話ならなんでもオッケー!」 ♣️「でも、一度買い取った話は僕たちのもの」 ♦️「記憶から消えちゃうから、本当に売りたい人だけ利用してね!」 ♣️「今日はどんな奇妙な話に出会えるかな?」 ♦️「考えただけでワクワクしちゃうわ♡」 ♣️「あ、ほら、お客さんが来たよ」 ♦️「いらっしゃいませ! あなたの奇妙なお話を聞かせてください」

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop