姫、私は誓います。
最終章・生き残った人々

寂しくなりましたね

清々しいほど空が晴れていますね。こんな日くらい、涙を隠すための雨が気を利かせて降ってくれたら良いのにだなんて思ってしまいます。
あの人と関わってからどれほどの仲間が天に召されたのでしょう。腹立たしいとか、そんな単純な感情では済まされない気がします。でも、一番腹が立つのはそんな事を40年間も引き摺っている私たち自身なんですよ。やりきれない気持ちでずっと満たされている私たちなんです。

「クラウドおじさん!ラークじいちゃん!久しぶり!二人とも元気そうで何よりだよ!」

「おいおい、わしはじいちゃんかよ」

「見る目がありますねぇ、レンは」

「70過ぎれば皆じいさんだ」

70歳を軽々と越してしまった私たちはもう年寄り扱いですか。もう少し若くいたかったですね。
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