【完】好きなんだけど、責任とってよ



呆然と立ち尽くす和馬から視線を外して、奈津に目を向ける。



「奈津、ラブラブな放課後の予定だったのに邪魔されちゃったね?」



「家に帰って寝る予定だから」


うんざり顔の奈津はスタスタと通学路を歩き出しその後を追う私は満面の笑みで


「放課後におねんねデートね!いいねーそれ!妄想膨らんじゃう!」



なんて言っては


「ホラーよりこえーわ」



なんて、もはや呆れ気味の奈津の声が聞こえる



遠すぎず近すぎない私たちの距離



その距離がもどかしくて愛おしくて心地いい。



さっきの出来事さえなかったような空間で、やはり私は彼が好きだと心が叫んでいた。



もう、ふたりの世界だよ?


邪魔なんて誰にもさせない。



校門前で傍観者たちが騒いでるのなんて気にもしない。



たったふたり、いやふたりで十分だ




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