【完】好きなんだけど、責任とってよ
「ありがとうございます。お父様の方にはまた改めてご挨拶させていただきたす。」



「うん、私はそろそろ仕事に行くわね」


ニッコリと優しく微笑んで奈津のお母さんは玄関に歩いていく。

私もそれを見送ろうと立ち上がり玄関に向かう。


「奈津、怖がってちゃ何も変わらないわよ。大事なら自分で守って自分の力で変えなさい。」


少し大きめの声で低めのヒールをはきながら奈津のお母さんは言った。



「なんのことですか?」


「こっちの話しよ」


「はい?」



「じゃ、行ってくるわね」


「行ってらっしゃいませ」



「まあ、そんなかしこまっちゃって娘になるんだから楽に楽に」


また優しく笑った温かい笑顔だ。


「はい、行ってらっしゃい」

だから私も笑った自然に


「行ってきまーす」


ガチャとドアが閉まると私はまたリビングにもどる。



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