君がいたから
そして『一緒にでてくれないかなぁ?』


彼女はしばらく黙っていた。


そして『いいよ。がんばろうね。』


嬉しかった。


俺は過去２年間、骨折して体育祭に出れなかった。


３年で最初で最後の体育祭だった。


体育祭の日。


アベックは午前中の３種目だった。


『まだまだ』と思っていたら、あっという間にその時がきた。


二人三脚、おんぶ、ランドセルで記念撮影。


その３００ｍはちょっとした夢だった。


『じゃ、二人三脚は右足からね』


『うん。右からね。』


俺の説明が悪かった。


スタートと同時に２人で、右足をだしてしまった。


『痛い。』


『ごめん。大丈夫?』


そんな会話もいい思い出だ。


二人三脚が終わって封筒の中身をみた。


【おんぶして走れ】


『なんじゃコリャー』


一瞬言葉がでなかった。


彼女は『私重いよ。』


日頃鍛えているのでおんぶして走るのは、簡単だ。


けど、いきなり彼女をおぶるなんて。
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