街が赤く染まる頃。ー雨 後 晴ー



そんな言い合いをしながら食事を終え、俺が後片付けをしてソファでまったりしていた。


「今日も夕焼けはなしか~。」


「ん、そういえば今夜から雨だよ。しかも豪雨。」


「げ!まじかよ最悪!」


「大翔んち前の道路、水没しないといいね。」


……確かに。
あそこはやくどうにかしてくれよ。


………ん?あ、そうだ。


「じゃあ今日心優んち泊まってこーっと。」


「え!?いきなり?」


「いいじゃーん、彼氏じゃーん。
ベッドも広いし?」


「……大翔がそれいうと変な意味にしか聞こえない。」


「はぁ?言っとくけどな、俺はお前と知り合ってから誰一人ともやってないんだからな!
くそ真面目人間だわ!!」


「はいはい。」


「……だからそろそろ心優と…な?」


そういって心優の肩を抱けば、一瞬真顔で固まったけどみるみるうちに赤く染まっていった。


「なっ…!」


心優の体は大智しか知らない。そんなの絶対に嫌だ。
そろそろ心優を俺で染めたい。

……変な願望だけど。


「みーゆ。」


でも俺ん中はすっかり心優に染まってるから
早く心優も俺に染めたくてとりあえずキスしてみたら


「……バカ。」


心優はもう耳も首も赤くなっていた。


「仕方ない、じゃあ今日は帰るか。」


なかなか首を縦に振ってくれないし、本気でダメなのかと諦めようとしたけど


「じゃあ、今日の夜食と明日の朝食は大翔が担当だからね。」


可愛く可愛くそう言ってくれた。


「おう、任せとけよな!」


「ん、じゃあ雨降る前に買い物いこ。」


そういった心優の顔はまだ赤い。
その色がまた俺を幸せにする。



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