5年3組パラダイス
『ゴメンネ、二番目で。今のボクにとっては、いくら仲良しな将太君でも、コリンちゃんの次なんだ。』
「ちぇー、ちょっとヤキモチ焼いちゃうなぁー。でも、コリンちゃん、喜ぶよねきっと。」
『そう思う?』
「うん、絶対!」
『じゃ、早く行こう』
「ラジャー!」

僕はかつお君をリュックに入れて背負い、自然公園に向かって思い切りイーグル号をこぎだした。コリンちゃんに早くかつお君の真珠を見せてあげたくて急いで走らせたんだ。

『コリンちゃーん』
「コリンちゃん、僕だよ将太。かつお君もいるよー。」

この間コリンちゃんに出会った木の下でコリンちゃんを呼んでみた。

『あら、かつお君、将太君、私、こっち。』

後ろからコリンちゃんの声がした。振り向くと、僕の足元でどんぐりを手にコリンちゃんがチョコンと立っていた。

めちゃ可愛い!

『コリンちゃん、会いたかったよ。ボクね、コリンちゃんにお土産を持ってきたんだ。』
『おはよう。お土産?なにかしら?』

お土産と聞いた瞬間に、コリンちゃんは目を輝かせた・・・様に見えたのは僕だけじゃないはず。かつお君の真珠を見たら、どう思ってくれるかな?

「これ、なんだけど・・・。」

僕は、この間の嵐でまだ少し塗れている土の上に膝を落として、さっき、かつお君から貰った真珠をポケットの中から取りだして、コリンちゃんに差し出してみた。

『真珠って言ってね、天然の宝石の一種なんだ。海の底からしか取れないものなんだよ。』
『まぁ、とてもキレイ。これ、美味しいの?』
「うーん、これは・・・、食べ物じゃないんだけどね。。。」

なんとなく、この反応、予想していなかったわけじゃなかったけどね。これも、第六感っていうのかな?

『食べれないの?食べれないのにお土産って、どういうこと?』
「あの、ね・・・人間は食べれないものでも、ただ、見てキレイだなーって思えるものならずーっと取っておいて、それを眺めるんだよ。それを見てるだけでいつでも感動できるでしょ?そして、それを誰かにあげるってことは・・・、」
『あー、将太君、ゆーなー、ボクが言う、自分で言う!』
『何?どうしたの?』




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