君の本気に触れた時…
「理央せんせいって…」

「ちょっ…お願いだからこんなところで先生なんて呼ばないでよ。」

「ここは皆からは離れてますから、誰にも聞かれていませんよ。」

「だけど…私は嫌なの。もう君の先生じゃないんだし…。」

「じゃあ、理央でいい?」

「はぁ?なんでそうなんのよ。こごは会社なんだから先輩でいいじゃない、先輩で。」

「じゃあ、プライベートならいいの?」

「何で付き合ってもいない相手に、しかも年下に呼び捨てで呼ばれなきゃなんないのよ!」


彼とそんな言い合いをしていたらいつの間にか湧いていたお湯にも気づかなかった。

それに、ここに近づく足音にも…。


「…コーヒーご馳走様。……あれっ、お邪魔だったかな?」


給湯室に突然現れた西沢先輩の姿に…一瞬で体が固まる。

もしかして、先輩に彼との会話を聞かれたんじゃ!?


「…あ…いえ先輩…変な誤解しないでください!」

「そう?…でも」


そう言いながら先輩の視線がチラリと私の後ろに立つ彼の方へと動いた。
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