君の本気に触れた時…
駅に向かう間も、ずっと頭の中はそればかりだった。

しかも、ドキドキが尋常じゃないほど。

時々、顔を覆ったり1人で悶絶しながら歩いていた私は、きっと周りから見たら挙動不審な人に見えていたんじゃないかと思う。


「おはようございます」


ポンと肩を叩かれ、爽やかなその声にビクンッと大袈裟なほど肩が跳ねたけど、それは私の中では決して大袈裟ではなかった。

ついに来てしまった…彼と顔を合わす時が。

横に並んだ彼に顔を向けると、私を見つめる彼の瞳があって鼓動が更に大きくなった。


「…お、はよう」


見上げたハル君の顔はいつもと同じなのに、やっぱり恥ずかしすぎて直視できない。

なぜだろう…隣にいるだけでも胸が苦しい…。
< 132 / 235 >

この作品をシェア

pagetop