部長が彼になる5秒前


「……私が好きなのは、貴方です。

もう上司としてじゃなく、尊敬だけじゃ、憧れだけじゃ足りないくらい、

水瀬部長、貴方が好きです。」


走ったせいか、緊張で速くなる鼓動のせいが、呼吸が上手くできない。
ただ、彼への気持ちと言葉だけが溢れ出す。

「だから、私を、本当の恋人にして下さい。」

言い切って、彼に真っ直ぐ視線を向けた瞬間。


……私は部長の腕の中に居た。
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