部長が彼になる5秒前
恋愛って、まず何から始めるんだっけ…。
5年も恋人が居ないと、そんな状態になる。
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「まぁでも毎日ひっつめだった朱里が、
そんな髪型できるようになったんだから、
それだけでも進歩だと思うけどね。」
久しぶりの同期飲み会で、その相談すると
絢は、そう答えてくれた。
「髪型に関しては、水瀬部長のお陰だし…
今回ヒントをもらった分、次は自分の力で
本格的に恋愛記事を企画してみたいの。」
本音は、それだった。
今回、好評だったヘアアレンジの企画案も、
元を辿れば、水瀬部長の案なわけで。
頼れる存在だけど、なるべく頼りたくはない。
もうあの頃の新入社員ではないことを、
私の書いた記事で、証明させたい。
それが編集者としてのプライドだった。