今宵の月のように
3・ビール片手に腕の中
目を覚ました。

あー、ダルいな…。

仕事行きたくないな…。

そう思いながら枕元のスマートフォンに手を伸ばして、時間の確認をした。

「――ええっ!?」

スマートフォンの画面に表示されている時間は10時を過ぎていた。

しまった、寝坊した!

そう思ってガバッと躰を起こしたのと同時に気づいた。

「あっ…今日は休みだった」

時計の下に表示されている日付を確認すると、今日は休みだった。

何だ、驚いて損した。

休みならば寝坊しても大丈夫じゃん。

2度寝を決め込もうかと思ったけど、さっきの勘違いのせいで眠気はどこかへ飛んでしまっていた。

やれやれ、いらん勘違いだった。

心の中で呟いたのと同時に、この場に宮本さんがいないことに気づいた。
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