大きな背中

「陸は優しいし、すげーいいやつなんだよ。だからお前がもっと陸に惚れる前にお前を俺の女にしときたかった。」


私は何も言えなかった。ただ泣いてた。悠生もそのあとは何も言わないで、ただただ川をじっと見てた。


『…ぐす。…ゆ…悠生。』

「泣くなよー。」


3分くらいの間が私には1時間にも2時間にも感じられた。


『私たち友達だよね。』

「当たり前だろ?」


悠生、ありがとう。私、嬉しかった。だから私幸せにならなきゃだめだよね。


「そろそろ陸来るから泣き止め!それと…。」

『うん。』


悠生はやっと私の方を向いた。


「頑張れよ。」


悠生は二カっと歯を見せて笑った。


「実はさー木村に相談のってもらってたんだ。」

『由佳に?』

「だからあいつは知ってるから。」

『そうなんだ。』


由佳も悠生の気持ち知りながら、私のこと応援するって言ってくれたんだ。

私ってどれだけたくさん友達に恵まれてるんだろう。

悠生、由佳、ありがとう。

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