誰かが君に恋してる。~純情男子の恋の傾向と対策
俺は駅前で次の電車に乗ってやってくる酒井を待っていた。

普段はこんなことしない。

けれど今日は一刻も早くこの感動を誰かに伝えたかった。



(酒井、早く来い!)



僅か5分ほどがもどかしい。



何度となく腕時計をチェックして、ようやく改札口に酒井が顔を見せた。



「酒井!」

「あれ?ピカル、珍しいじゃん?」

「酒井、俺!喋っちゃった!」

「は?」

「彼女だよ。ほら、菊女の…」

「えっ!マジで?」

俺はコクコクと頷く。
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