夏の香り
「先輩っていつもそう。

迷惑だからとか、今忙しいからとか言い訳して恋愛から目を背けてる。

本当は自分が傷つくのが怖いだけなんじゃないですか?」


「え……?」
未来ちゃんの言葉は私の心にグサリと刺さった。


その通りだった。

傷つくのが怖くて色んな言い訳をして恋愛から逃げてた。

恋愛だけじゃない。

勉強がうまくいかなかったら、部活が忙しかったからとか、そのまた逆も。


後輩に言われるまで気づかないなんて先輩失格だ。

「うん……。ホントその通りだよ。」
私は顔を上げた。

「明日、やってみるね。」

そう言うと、未来ちゃんは柔らかく微笑んだ。
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