絵本 短編集
「お父さーん、お母さーん」
どんなに呼んでも、どんなに叫んでも、お父さんうさぎもお母さんうさぎもやってきません。
不気味な森の中でひとりぼっちになった子うさぎは、怖くて心細くて、たくさんたくさん泣きました。
体に塗ってもらっていた土が、涙で全部流れてしまっても泣き続けました。
「おやおや、美味しそうなうさぎがいるねぇ 」
しゃがれた声に振り返ると、そこには年老いた大きな狼がいました。