冷徹副社長と甘やかし同棲生活
 
 今日は料理を作らなくていいし、その分掃除をしっかりやろう。そう決めて、椿さんの寝室や書斎に入ると、予想以上に散らかった部屋に唖然としてしまった。


「なんで、すぐに汚くなっちゃうの……」


 ある意味天才なのか? と本気で思ってしまうくらい、彼の部屋はすぐに汚くなる。
 片付けても片付けても、すぐに散らかす。まるでずっと鬼ごっこをしているみたいだ。

 掃除をするのは家政婦の役目だけど、『物はあったところにしまいましょう』くらい言ってもいいと思った。

 家事を終え、お風呂に入ってさっぱりしたあとは、ベッドでごろごろしながら雑誌を読んでいた。パジャマは一昨日買った新しいもの。もこもこしたかわいいルームウェアだ。高校のジャージは、クローゼットの奥深くに封印した。また注意される前に自粛したのだ。


 
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