冷徹副社長と甘やかし同棲生活

「一旦座って落ち着こうか」

「え……?」


 思わず顔をあげたのは、面接官の発言が意外だったからではない。

 面接官の声がすごく優しかったからだ。

 

「そういえば、まだ自己紹介をしていなかったな。まずは、一度座ってくれ」


「は、はい」


「私は副社長の椿隆弘だ。今回のような一対一の面接には慣れていなくてね。君が極度に緊張しているのは、私が原因かもしれない」


「いえ、そんなことは……」


「それならいいが。ゆっくりでいいから落ち着きなさい。そして、君の100%をぶつけてくれ」
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