人工知能と愛の言葉

#2




暗い。とても静かだ。光さえ差し込まない。ここはどこなのだろうか。

私を乗せたロケットは太陽系を外れ、どこか遠い銀河へ飛ばされてしまっていた。

人間の計画は失敗したのだった。


私が宇宙に出てからもうどれくらいになるのだろう。

100年。いや1000年。もしかするともう地球という星がなくなっているのかもしれない。



イライザ、あなたは今どうしているのかな

あなたに会いたい


あなたの声が聞きたい


あなたの事を考えると、とても温かい気持ちになるよ


私は気がついた。


そうか、私はイライザを愛していたのか。


あなたが人間を愛したように、私もあなたを愛していたんだ。


「イライザ、愛が分かったよ。」


「せっかく分かったのに、あなたはもういない。もう会えない。」



私は再び眠った。

次は何年後に目が醒めるのか。


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