真実の愛に気づいたとき。
私のことを知っているってことは、少なからず良くない噂は耳に入っているはずだ。私といるときっと彼女のことも噂されてしまう恐れがある。


なのにも関わらず、こうして人が大勢集まる場所でこうして堂々と声を掛けてくれた。


もしかして、彼女は松村さんが言っていた"大学では見つけるのが難しい我が道を行くタイプ"のうちの一人…?


「てか、ここ座っていい?」


未だに突っ立ったままの彼女、岡本さんは、私が荷物を置いている方の椅子を指差す。


慌てて荷物をどかした私に岡本さんはふっと笑いながら腰を掛けた。


「西田さんって、案外いい人かもね」


「…え?」


「本当は好きで一人でいるわけじゃないんじゃない?」


核心を突く一言。小声で話しているため周りには聞こえていないはずだが、私と二人でいる岡本さんに好奇の目がチラチラと向けられているのが分かる。


こればかりは視線を気にし、更に声のボリュームを落として返した。


「…私は、自分のしたいようにしているだけ。友達がいらないとかは思ってないの。ただ、私みたいな子が周りにいないから、多分性に合わなかったんだと思う」


松村さん以外に初めて口にした事実。大学でそんなことを話す相手が出来るなんて、つい最近までは全く思っていなかった。


「…私、西田さんみたいな人好きだな〜」


「え、そう?」


声を掛けられたことにも驚いたが、"私"という存在を肯定されたことに更に驚愕する。


「実は私も学部にあまり友達いなくてさ。知り合いはいるんだけど、気の合う友達がいないというか…大学ですれ違えば挨拶するし、たまたま講義が一緒になれば少しは話す程度。最初はグループとかにも入ってたんだけど、うわべな感じが嫌になって抜けちゃって、今では特定の人とはつるんでないんだ」


見た目が派手な岡本さんにもそういうことがあるなんて予想外だった。"綺麗なギャル"という言葉が当てはまるような彼女。人間関係に不自由なさそうな見た目…というのは、偏見だろうか。


「そう…なんだ。その気持ちわかる気がする」


「だよね!西田さんならわかってくれると思ってた!!てことでさ、うちら友達にならない?」

「え、急だね」


「急じゃないよ?私は前から友達になりたいって思ってたし!」


いや、そちらがそうでもこちらは…何て言うこともできず、内心ちょっぴり嬉しかったりもするから口には出さなかった。


「私、大学で初めての友達だよ」


「お、まじ?私も真の友達は初めてかも!よろしくね!」


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