彼が浮気した理由(わけ)
「小学校の時から、ずっと好きだった...でも、翔と彩に迷惑かけるって思ってたから言えなかった...」

「でも、俺好きな奴い...「知ってるよ」」

「え?」

「全部、彩から聞いた。」

あいつ、良くも人のことペラペラと

「その子、結婚したんでしょ?だから、私が帰ってきたの...こんな時にずるいかもしれないけど...ずっと好きだったから」

そう切なそうに笑う由紀はすごく綺麗だった。

「ねぇ、私じゃダメ?」

「ダメって言われても...俺はまだあいつに未練あるし」

「それでもいい!翔がゆっくり、彼女のこと忘れられるように支えたいの」

由紀は真剣な顔でそう言った。

「...そこまで言うなら...」

「やったー!ありがとう翔...」

そう言ってさっきの切なそうな顔と裏腹に凄く嬉しそうに笑った。

「...っ」

ーギュウ

「...翔?」

その笑顔を見て、いつの間にか俺は由紀を抱きしめていた。


「なんか...抱きしめたくなった」

そう言って由紀から離れる

「なにそれ...ずるい」
そう言う由紀は顔が真っ赤だ。
すごく俺が好きなんだって伝わってくる。

こいつなら...

こいつなら俺の気持ちを消してくれるかな...

そう思ってもう1度由紀を再び抱きしめた。



ーEND
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