欲望の飴と飴売り少女
「ふふっ」と誰かの笑い声が聞こえた。それは地味めがねの方からだ。

「喧嘩売ってるの?」

あたしは自分の席から地味めがねの席に移動する。

「いや、別にぃ〜」
喋り方に余計にイライラする。


「地味めがねのくせに馬鹿にしやがって…」

小さく呟いた。


「そうやってられるのも今のうちだよ」

笑ってるのに冷たい眼。……むかつく、言ってる意味も分かんない。あたしの怒りは最大限まで上った。

「ガンッ」あたしは地味めがねの机を蹴った。


「痛ぁい!」


地味めがねは大きな声をあげる。クラスメイト達も「何、何?」と周りで言っている。

あたしは机を蹴っただけで地味めがねの足を蹴ってはいない。




「もしかして、春香が怪我させたんじゃないの」







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