青春、ぜんぶ。


***

カランコロン……──。


美鈴が、力一杯にお店の扉を開けた。



「…いらっしゃい!」

奥の方から出てきたのは、

30代か、40代くらいのおばさんだ。



雰囲気は、どことなく優しい感じ。



俺のかぁちゃんも、こんな優しい感じでいてくんねぇかなぁ。



お店の中は、ガランとしていた。

洋服はなん着かしかなくて、見た感じは、うちら若い世代が切るような年代物は置いてない。



< 19 / 23 >

この作品をシェア

pagetop