いつまでも弟だと思うなよ。
Chapter 6**

◇ チカの甘い攻撃




* 可奈子 side **





「───…で、いつまで貼ってるの?それ」

「あ、あははは…」




お昼休み。


目の前で卵焼きを頬張る美沙は、呆れた顔で聞いてきた。




美沙の指差す先は私の首元。…の、絆創膏。






その事の発端となったのが、奥原家へ野菜を届けに行ったあの日だ。



チカとのわだかまりがなくなったと思った直後につけられたものを、この3日間必死に絆創膏で隠している。





「しっかしまぁ、キスマークつけてくるなんて千景くんも大胆だよね〜」

「ちょ、美沙っ!声大きい!」



私が慌てたところで、口にした本人はケロっとしているからまるで意味もなく。



というか、美沙がこの状況を楽しんでいるのはバレバレだった。






「まっ、いいじゃないの。千景くんのお陰で例の噂も消えた事だし」

「それはそうだけども」

「何?不満?」

「いや、だって…」



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