さよならメランコリー
さよならメランコリー


ーー不幸になっちゃえばいいのに。



彼女の細くて白い足首をちらりちらりと覗かせるスカートが目に飛び込んできたあの瞬間、本能的にそう思った。

もうほとんど赤に染まってしまった橙色の秋らしいスカート。 それは、私というつまらない人間の皮を剥いで、醜い物体の私を暴いた。


< 1 / 34 >

この作品をシェア

pagetop