葛城社長と運命の恋を始めます

朝陽さんのずっと好きだった人は

夕方、朝陽さんと一緒に武史さんと夏世が待つお店へ向かった。


武史さんの友達がやっている居酒屋らしい、民家みたな素敵なお店。


武史さんの姿がなく、夏世さんはすでにお酒を飲んでいて、酔ってるのか、かなり陽気な感じで、私たちに話しかける。


「武史は少し遅くなるから、先に始めてました。早く座ってよ。」


夏世さんの隣に朝陽さんが座ると、いきなり抱きつく。


「夏世、酔ってるだろ。」


大丈夫だと言い、朝陽さんにキスしようとするから、思わず駄目だと叫んでしまう。


「なによ、減るもんじゃないし、あんたなんかに私の気持ちが分かるもんか。」


朝陽さんが夏世さんをさとすように話す。


夏世さんは本当に朝陽さんが好きなのかな。


朝陽さんにはずっと好きな人がいたと、夏世さんは言ったけど。


「あんたは朝陽の何処がすきなのよ。」


それは。


「朝陽にはずっと好きな人がいたのに、あんなはそれで良いの。」


良いとか悪いとかではないけど、朝陽さんの気持ちを確かめたいから、勇気を出して聞いた。


「朝陽さんはずっと好きだった人に告白したのですか。本当はその人と結婚したかったのではないですか。」


朝陽さんは私の言葉に驚き、真剣な顔をした。


そこへ武史さんが入って来て、あれ、夏世もう出来上がってるのかと、その場の空気が全く読めない言葉を言う。


「あんたはバカなの。」


夏世さんの今のあんたは武史さんらしいけど。


誰に対してものあんたは止めてほしい。


話が途中になってしまったし、もう一度は聞き辛い。


どうしよう。


自分で聞いた事なのに、後悔した。









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