葛城社長と運命の恋を始めます
社長ははなを運命の恋の相手だと思い込んでるだけではないのか、そう思えてならない。


社長とはなが出会ったのは5年前、妹の文乃が巻き込まれた交通事故の被害者にはなもいた。


文乃はその事故でなくなった。


15才と言う若さで。


悔しくて、苦しくて、事故を起こした男を殺したいと思うほど憎んだ。


だが、その男を殺しても文乃は戻って来ることはない。


処置室の前で泣き崩れる母親を見つけた社長は、はなの両親の事情を聞くと同じ血液型の自分の血をはなに輸血した。


その時以来、社長はずっとはなを気づかい、はなの成長を見守り続けるうちに、はなを一人の女性として見るようになったと言う。


嫌、違う、妹のように思ってるだけで、自分の本当の気持ちに気づいてないに違いない。


俺は今もそう思っていた。


だか、俺の思いが見事外れた事に気づく。


社長にしては珍しく、小さな可愛いホテルを建設した。


それがはなの為のホテルだと知るまでは、俺の思いは正しいと思っていたのに。


社長、嫌、朝陽ははなを愛してるんだと。


そう思うと、俺の中に又おかしな感情が。


はなと朝陽が仲良く並んで歩く姿を見てると、胸が異様に苦しくなるのだ。


なんで、どうして、俺は本当にどうかしてる。


こんな気持ちになるだなんて、これじゃまるで俺がはなを好きだと言ってるようなもの。


あり得ない。



絶対、あり得ない。













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