葛城社長と運命の恋を始めます
お婆様も笑ってるし。


何だか、調子が狂う。


笑わせるような事を言ったのだろうか。


いや、いや、違うと思う。


朝陽さんは無言のまま、お祖父様とお婆様を見ていた。


「ごめんなさい。失礼な事ばかり言ってしまい、でも、私は真剣に朝陽さんと結婚したいんです。この気持ちが変わることはないです。」


言ったよ。


言い切りました。


この先、何を言われても恐れたりしない。


「二人とも座りなさい。はなさんを見てると、若い頃のばぁさんを思い出した。」


「若い頃の私はばぁさんではありませんよ。」


そうですよね。


「はなさん、今笑いましたね。」


いえいえ、滅相もございません。


恐れ多くて、笑ったりなんか出来ないです。


「昔の私を思い出してしまいました。今のはなさんと同じ状況だったのです。日明さんのご両親に結婚を反対されて、この屋敷に一人で乗り込みましたから。 」


本当ですか。


それは凄いです。


「男はあてになりませんからね。自分で何とかしようと決断したんです。朝陽も駄目な男で情けなく思います。」


お婆様、それは違います。


「今回は私が独断でお屋敷に来ました。お祖父様とお婆様にも結婚を認めて貰いたいのと、このお屋敷に一緒に住みたいと思ったからなんです。」


お二人は目を見合わせてかなり驚いていた。


朝陽さんが私の言葉を遮るように話だす。


「俺は二人が反対しても結婚はするけど、この屋敷に住むのは賛成できない。何が起きるか分からないし、俺はいないからはなを守れない。」


何でそこまで反対をするかな。


自分が育った家なのに。


まぁ、魔物が住んでるらしいから、怖いと言えば怖いけど。


魔物なんかに負けたくない気もするし。


お祖父様とお婆様は先程とは違う感じで話してくれた。


二人の結婚を認めてもいいが、一つ条件を出すと言う。


その条件とは。


今日からこの屋敷に住むと言う事、一ヶ月耐え抜いたら認めてくれるらしい。


この魔物が住むと言うお屋敷に、いったい何があるのだろ。


自分で住みたいと言ったのに、怖くなった。











< 95 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop