ネコという名の犬
 父親は真っ先に犬を見た。
 犬は、のんきな顔で父親を見つめてる。
 のぶおは、犬を隠す事もなく父親の目を見て訴えかけている。

 ドアを閉め父親は、あぐらをかいて犬の頭を撫でた。
 「…のぶ、ママの事好きだろ?」
 「うん…」
 「ママの悲しい顔‥見たら悲しくなるだろ?」
 「…うん」
 
 「…ママとのぶが悲しくなるとパパも悲しくなる…
のぶ?パパの悲しい顔見たくないだろ?」

 「………」

「!?ん!?‥のぶ?のぶ君!?」

 父親は、何度も尋ねた…が…
「……」

…父親は…
犬の頭を強く撫でていた。
 犬は、何度も鳴いた。
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