舞う赤
2
日がどっぷりと沈み、夜の街が動き出す頃に私は家に帰る



ソファの上に鞄を投げ降ろし、日中のことを少し考えた



今日中に仕上げなきゃいけなかった資料


何気なく飲んだコーヒーのぬるさ


むくんだ足と腰の痛み



思い出すだけで嫌になる



でも、それすらどうでもよくなってくる



寝室の扉を開けると暖かい空気が体を包む



ベッドに近寄り、まだ寝ている彼の頬を軽く撫でる



そしてスーツのままでその隣に横たわる



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