俺様狼と化け猫
「そいつらが誰かは知らねぇが
俺はお前を手放す気はねぇぞ」
「何言って…」
「真浪凜樺…俺の女になれ」
「……へ?」
もしかして耳悪くなった?
いや、まだ10代でそれはないよね?
あったら悲しすぎでしょ?
「ご…ご冗談を」
「冗談に聞こえたか?」
そんな真剣な顔で言われたら本当に聞こえるけどさ!
私なんかに言うことなくない?
ていうか、絶対ないから
女なんて選り取り見取りなのに…
「俺を信じろ」
後ろに下がっていた私の腕をつかみ
顔を近づけてきたのが
不意打ちすぎて顔が真っ赤になってしまった
「はいはい、お取り込みの途中悪いけど
早くしてくれよ若頭殿」
「チッ…入るなと言っただろ柚希」
「だって遅いんだもん」