君のカメラ、あたしの指先
『ねえ、本当の恋って、どんなのかな?』


 瀧川のことをただの「憧れ」としか思っていなかった有紗にそう聞かれたことを思い出した。

「もう知ってるじゃん。ねえ?」


 あたしもいつか……


 なんて、そんなことは望まない。

 親友ポジの女の子が既に彼氏持ちだったりメインヒーローの友人役とくっついたりするのは、主人公と親友を争わせないための『ご都合お約束』だ。

 この世の中、そんなにバカスカカップルが成立したんじゃ恋愛小説の需要が無くなるでしょうが。

 あたしは見守り役を遂行するだけで、十分だから。

 と、思うのに。


 どうしてちょっと、寂しい気持ちなんだろう?
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